身に着けたい! 保育の仕事に役立つスキルと資格って?


慢性的な保育士不足が叫ばれている昨今。
保育の現場はますます厳しさを増し、保育士ひとりひとりにより高いスキルが要求されるようになってきています。
そう、今後の保育業界が必要とするのは、ブラスαのスキルを持った、保育のスペシャリスト。
これから保育士資格を目指す方も、いま保育士として働いている方も、転職を考えている方も、さらなるスキルや資格を身に着けておくと、活躍のフィールドが大きく広がります。

そこで今回は、保育士が持っていると役に立つ、関連した資格とスキルをご紹介しましょう。
ぜひ手に入れて、保育士としてのレベルアップ、職場でのステップアップを目指してください。

就転職にも有利 ! 即戦力になる資格はこれ

まずは、持っていると就職・転職の際に威力を発揮する資格をみてみましょう。

●幼稚園教諭

幼稚園と保育園を一元化する政策や、認定子ども園制度が本格的にスタートする中、幼稚園教員資格を目指す保育士が増えています。
一般的には養成課程のある大学・短大・専門学校を卒業して取得しますが、保育士としての勤務経験(3年以上、120時間以上/月)があれば、資格認定試験を受けて取得することができます。
保育園だけでなく認定子ども園や幼稚園で働くという選択肢も加わり、将来性も抜群。

●社会福祉士

高齢者や心身障害のある方の相談に乗り、行政や医療施設などへの橋渡しをする福祉のプロ。近年、虐待や貧困など、家庭に問題を抱える子どもが増え、保育士もそうした子どものケアや、保護者の相談を受ける場面が見られるようになってきました。そんなとき福祉のスキルがあれば、迅速で的確な対応で、トラブルを未然に防ぐことができます。
資格取得には国家試験合格が必要で、細かい受験資格があります。取得は簡単ではありませんが、福祉の専門資格は、保育士にとって強力な武器といえるでしょう。

●医療保育専門士

入院中の子どもたちの心身のケアを行う病棟保育士や医療保育士をはじめ、病児保育や障害児保育などに関わる保育士のための専門資格です。医療知識はもちろん、カウンセリングなど、子どもの心のケアに関する知識も身につきます。
医療保育の実務経験が1年以上あり、日本医療保育学会の会員であれば、講習と論文で認定されます。

●保健児童ソーシャルワーカー

虐待やいじめ、不登校などの問題を抱える子どもが増え続けていることから、教育現場でのニーズが高まっている保健児童ソーシャルワーカー。子どもの心身を、心理と医療の両面からサポートする、児童福祉の専門家です。また、保護者の育児相談に的確なアドバイスを行います。
一般社団法人医療教育協会の指定校に通学し、全国統一試験に合格して取得します。

●チャイルドマインダー

最近、資格を持つ保育士が増えているというチャイルドマインダーは、イギリスで70年以上の歴史のある職業。0歳から12歳までの子どもたち1~4人を対象に、家庭的で質の高い保育を行う、少人数保育のスペシャリストです。活躍の場は民間の保育施設をはじめ訪問保育、また自宅で保育所を開業することも可能。
認定機関指定の通信や通学講座を受講し、認定試験を受けて取得します。合格率は7割から9割と、比較的取得しやすい資格といえます。

●チャイルドコーチングアドバイザー

子どもの心を癒すカウンセリング技術、伸びる力を引き出すコーチング技術を併せ持つ、子どものメンタルケアのスペシャリスト。幼稚園、保育所などの児童福祉施設や、教育現場で働く人の二つめの資格として人気です。
一般財団法人 日本能力開発推進協会(JADP)指定の養成講座・訓練を修了し、試験に合格すると取得できます。

●ベビーシッター

依頼者宅で子どもを保育する仕事。資格がなくてもベビーシッターはできますが、資格取得は、一定水準以上の知識と技術を持つ証明となります。
社団法人全国保育サービス協会の研修会を終了し、実務経験を経て認定試験に合格すれば取得できます。合格率は9割以上と、目指しやすい資格です。

保育の質を上げるこんなスキル

では次に、保育の現場で、あると役立つ資格・スキルをあげていきましょう。

○ピアノ(検定やグレード認定)
○リトミックインストラクター
○食育インストラクター
○レクリエーションインストラクター
○英会話(英検・TOEIC)
○パソコン(MOS)
○絵本専門士
○救急救命士
○ペン字・習字
○イラスト

ピアノは保育には欠かせないツール。弾き語り、伴奏、こどもたちへの合図など、さまざまなシーンで登場します。スキルアップすれば、強力な武器に。また、リトミックの知識があると、子どもたちと一緒に楽しみながら感性や表現力、集中力を伸ばせます。
食に対する正しい知識は、子どもの心身の健康に欠かせない要素。最近では食育に力を入れている園も多く、食育インストラクターのニーズも高まっています。
屋内、野外でのさまざまな楽しみを追求するレクリエーションインストラクター。子どもたちが生き生きと活動し、リフレッシュできるようリードする遊びの指導者として、園では活躍の場も多いはず。
英語教育に力を入れている園も増えている昨今、英会話は必ず役に立つスキル。またパソコンは、資料作成などの事務作業に欠かせません。ぜひ腕を磨いて。
絵本専門士は、保育士に人気の資格。子どもの成長に適した絵本のセレクトや、効果的な読み聞かせなど、絵本を通じて子どもの健全な心身を育むスペシャリストです。
保育士が持っていると安心なのが救急救命士。思わぬトラブルへの対処法をしっかり学ぶことで、日々の保育にも自信が持てるようになるでしょう。
直筆で文字を書いたり、手書きのイラストを描くシーンも多い保育士は、ペン字や、習字イラストのスキルを磨くことも大事。美しい文字やイラストは、保護者にも好印象です。

いかがでしたか。
難関をくぐり抜けて手に入れた保育士の資格、けれどそれは決してゴールではなく、新たなキャリアの出発点です。
自分自身を高めるためにも、より良い保育の実現のためにも、自分にあったスキルや資格を身につけ、日々の仕事に生かしていきたいですね。


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