【異年齢保育】年長さんと年少さんが一緒に楽しめる遊びのまとめ


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保育園や幼稚園のクラスは、年齢別に編成されるのが一般的。
けれど、最近では年齢の違う子どもたちを一緒にして行う、「異年齢保育(縦割り保育)」の良さが認められ、保育に取り入れる園が急増しています。
年齢差のある子どもたちが互いに関わりあって遊ぶことのメリットは多く、子どもの心身の成長に大きく役立つため、保護者からも高い関心を集めている異年齢保育。
ただ実際に保育にあたる現場の保育士さんたちからは、こんな声も。

「年少さんと年長さんが一緒に楽しめる遊びって何だろう」
「理解力も運動能力も違うから、なかなか難しくて」
「どちらも満足させる遊びのアイディアが浮かばない・・・」

そんな悩める保育士の皆さん、注目です!
今回は、異年齢保育で取り入れるのにぴったりの、大きい子も小さい子も一緒に盛り上がれる遊びを、室内遊び、外遊びにわけてご紹介。
定番の遊びも、ちょっと工夫すれば、異年齢で安全に楽しめるものになりますよ。
ぜひ、参考にしてみてくださいね!

異年齢の室内遊び

室内ではやはり、読み聞かせやごっこ遊び、お絵かき、製作といった遊びが主流です。
異年齢でも、役割をうまく分担すれば、みんな大満足の室内遊びになること間違いなし!

●絵本の読み聞かせ●

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→ 乳児(0~2歳)の異年齢保育には・・・

乳児期はお友だちとかかわって遊ぶというより、自分の興味のある遊びを黙々と楽しむ一人遊びが中心の時期。
興味をひきやすい、シンプルで大きな挿絵の絵本を選びましょう。ストーリー性のあるものより、ページごとに色や形が変わったり表情が変化するようなものがおすすめ。
読み聞かせることにこだわらず、保育者も一緒になっていろんな顔をしてみたり、絵本の動物になりきってみたりと、自由に遊ぶと、どの年齢の子もひきつけることができるはず。
もし絵本に興味を示さない子がいても、無理強いは禁物です。まだひとつのことに集中するのは難しい年頃。楽しむ雰囲気を大切にしましょう。

→ 幼児(3~5歳)の異年齢保育には・・・

お友だちに興味を持ち、一緒に何かをするのが楽しくなる幼児期。
いろいろな登場人物が、お互いに関わりあうようなストーリーを選ぶと、異年齢遊びに興味をもつきっかけになります。「〇〇ごっこ」のように、絵本の中の世界をあとで再現してみんなで遊べるような、身近なお話もいいですね。
乳児に読み聞かせるときは、少しおおげさに動きや抑揚をつけて興味をひくとよいのですが、幼児には逆に落ち着いたトーンで、お話の世界を壊さないようにしましょう。

●ごっこ遊び●

→ 保育園ごっこ

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子どもたちにとってもっとも身近な世界は、家庭と保育園。パパ、ママ、お兄ちゃんお姉ちゃん、弟や妹に赤ちゃんと、はっきりした役割のあるおままごとは異年齢にぴったりのごっこ遊びですが、子どもたちが意外と喜ぶのが保育園ごっこです。
年長さんにはエプロンをもってきてもらい、保育士役を。ほかにも園長先生や給食の調理スタッフ、養護の先生など、役どころはいろいろ。年中さんはパパやママになって、年少さんの園児を送り迎え。ふだんからよく見ている先生方や保護者の姿を、自分たちが演じる楽しさに、子どもたちは夢中になりますよ。大きい子が小さい子のお世話をすることが遊びになるので、まさに異年齢保育にうってつけといえますね。

→ お店ごっこ

ごっこ遊びの定番、お店ごっこ。
お店の人は、子どもたちの憧れの存在。年長さんに店員さんになってもらい、小さい子が「はじめてのおつかい」よろしく、おもちゃのお金を持って買い物に来ます。
お店に並べる品物やお金は、製作の時間にみんなで作ると、楽しさもひとしお。「ケーキ屋さん」「おもちゃ屋さん」「コンビニ」など、子どもたちが心ひかれるお店を開店して、店員さんとお客さんのやりとりを楽しみましょう。

●みんなでお絵描き●

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→ 大きな紙にのびのびと描こう!

ビニールシートの上に、模造紙をつなぎ合わせた大きな紙を敷きます。絵の具やクレヨン、カラーペン、色鉛筆など、いろいろな筆記用具を準備し、子どもたちは紙の上に乗って自由に描きます。「好きな食べ物」「行きたいところ」など、テーマを決めてもいいし、先に小さい子が描いた絵に、あとから年長の子どもが描き加えて完成させても面白いですね。
お絵描きだけでなく、手足に絵の具をつけてスタンプしたりと、楽しみ方は無限大!

→ 長~い紙に、長~いものを描こう!

模造紙をつなぎ合わせ、長い紙を作ります。
「長いもの、何があるかな?」と子どもたちに問いかけ、思いついた長いものをみんなで描きます。鉛筆や傘のような身近なものから、ヘビや電車まで、子どもたちの自由な発想を引き出しましょう。
もう一枚、紙を縦に使って「高いもの」を描くのも面白いですよ。煙突、東京タワー、高層ビル・・・さあ、どんな長~い絵、高~い絵ができるかな?

●製作あそび●

異年齢でいくつかのグループを作り、協力して作ります。
紙をちぎる、折るなどの簡単な手順から、はさみやのりの使用、穴をあけたりひもを通す、結ぶなどのやや複雑な手順まで、年齢に応じて分担してすすめるようにします。
大きい子がついやってしまいがちなので、「小さいお友だちのお手伝いをしてあげようね」と声かけをして見守りましょう。
作るものは、お店屋さんごっこに使うお店の品物や、手作り楽器、糸電話やお面など、あとでみんなで一緒に遊べるものがおすすめです。

●体を動かす遊び●

→ ハンカチ落とし

室内で少し体を動かしたくなったら、手軽にできるのがハンカチ落とし。
ルールは普通のハンカチ落としですが、年長児と年少児のペアで行います。
ハンカチを拾って走るときも、二人手をつないで。大きい子は小さい子を気遣いながら、小さい子は大きい子に追いつこうと頑張りながら、夢中になって遊ぶうちに、自然と異年齢同士のかかわり方が身につく、室内ゲームの定番です。

→ 椅子取りゲーム

異年齢で遊ぶ椅子取りゲームは、年長児が椅子になって、円を作ります。
年少児は円内を音楽に合わせて歩き、音楽が止まったら、年長児の椅子に向かってダッシュ。年長児は、座りにきた子を受け止め、抱っこしてあげます。
スキンシップが年齢の壁を取り払い、緊張していた年少さんもリラックスして楽しめることうけあいの、椅子取りゲームの異年齢バージョン。

異年齢の外遊び

外遊びでは、どうしても運動能力の差が出てしまいがち。
かといって、年少児のレベルに合わせると、年長児には物足りなく、飽きてしまうことも。
小さい子をサポートしてゲームをクリアする難しさを楽しめるように、やる気を引き出す声かけも大切になってきます。

●しっぽとり●

年長児と年少児でペアになり、年少児のズボンにしっぽになるもの(紙テープ、鉢巻き、なわとびなど)をはさみます。
スタートの合図で自由に動き回り、年長児がほかの年少児のしっぽを取りに行きます。しっぽを取られたペアは座ります。
大きい子は、しっぽを取られないように、小さい子を守りながら動くので大変ですが、力を合わせて勝つという気持ちが高まり、チームワークが生まれます。
しっぽだけでなく、年少児が転んだりけがをしないよう守ってあげることを、年長児に声かけしながら行うとよいでしょう。

●大縄跳び●

一本の大繩があれば、年齢に合わせて動かすだけでみんなが楽しめる遊びに。
年長児が両端を持ち、年少児が飛ぶときには「へびへび」と言いながら、左右に動かします。
慣れてきたら、低く上下に動かしてチャレンジしてみましょう。
年中児には、大波小波で一人ずつ飛び越えさせます。年長児が飛ぶなら、縄を大きく回して。一人ずつ飛べたら、人数を増やしていくと盛り上がります。
最後には全体を2チームに分け、綱引き合戦も楽しいですね。

●玉入れ●

子どもたちが大好きな玉入れ。これも異年齢のペアで行います。
一回戦はカゴを高くして、年少児が玉を拾って年長児が投げ、二回戦はカゴを低くして、年長児が拾い、年少児が投げます。
役割を交替することで、相手の気持ちもわかり、協力して頑張ろうという姿勢が生まれます。
ペアを作らず行うなら、保育者がカゴを背負って動き回り、高さをいろいろに変えればOK。

●ボール送りリレー●

チームごとに列を作り、まずボールを頭上を通って後ろに送っていきます。
列の最後までいったら、今度は股下を通って前に送っていきます。
背の高さの違う子どもが混在しているので、なかなか難しく、とくに小さい子に合わせる年長児は大変ですが、それだけに燃えること間違いなし! のリレーです。

●スキップ鬼ごっこ●

ルールは普通の鬼ごっこですが、年長児はスキップをしなくてはなりません。年少児は普通に走るので、つかまえるのも逃げるのも大変ですが、みんなで思いきり体を動かしたいときにはぴったり。シンプルだけれど、大きい子も小さい子も夢中になれる鬼ごっこです。

まとめ

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いかがでしたでしょうか。
同年齢のクラスというのは横並びのため、子どもたちも「できる・できない」で受け止めてしまいがち。けれども異年齢のかかわりでは、お互いの違いを受け入れるという見方が生まれます。
相手のそのままを認め、思いやる気持ちは、豊かな人間関係を築いていくために必要不可欠なもの。
異年齢保育のひととき、みんなで楽しめる遊びを通して、大切に育んでいきたいですね。


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