保護者と保育士をつなぐ連絡帳 書き方のポイント


連絡帳は毎日欠かさず、家庭と園を往復するもの。
保育士にとっては子どもの家庭での様子を知り保育に役立てられ、保護者にとっては園での生活や成長ぶりなど、知りたいことがぎっしりつまった一冊です。

「だけど毎日、大勢の子どもについて何冊も書くのは一仕事」
「ひとりひとりの園での様子を書くのは本当に大変で・・・」

そう、保育士さんが書き物ができるのは、わずかな空き時間かお昼寝の時間くらい。
大変なのはよーくわかります。
そこで今回は、連絡帳の書き方のポイントをおさえ、どんな点を心がければ良いかご紹介していきましょう。
これを読めばきっと、保護者に喜ばれて役に立つ内容が、時間をかけず書けるようになりますよ!

保護者に伝わる書き方のポイント

連絡帳を書くのが苦手という保育士さんは意外と多いもの。
けれど上手に利用すれば、保護者との信頼関係もぐっと強まる使えるアイテムです。以下のポイントを心がけるだけで、読むのが待ち遠しい連絡帳になるはず。

<ポイント1> まずは保護者の記入をよく読んで、質問には必ず返事を

保護者の欄には、子どもの家での様子、健康状態など貴重な情報がいっぱい。
しっかり目を通して、その日の保育につなげましょう。もし家庭での体や心の状態に気がかりがあるときは、注意して観察し、園ではどうだったかフィードバックしてあげると保護者も安心です。
また、質問や育児の悩みなどの相談が書かれているときは、必ず返事を書くこと。場合によっては、時間をとって一緒に考えましょうという一言を添えるのも親切です。

<ポイント2> 連絡事項はきちんと伝える

保育中のケガ、体調不良などは必ず記録しておくこと。ケガをしたときは、その理由、傷の具合、行った対処、子どもの様子などは詳しく記して。体調不良も同じです。発熱は2時間ごとに推移を書いておくと、病院を受診したときに役立ちます。

<ポイント3> できるだけポジティブな内容に

子どもの園でのエピソードには、ポジティブな一言を付け加えるようにしましょう。
「嫌いなプチトマトを三つ食べました。びっくり、凄い! 」「なんと5歩あるきました、おめでとう、新記録です!」のように、小さな出来事でもオーバーなくらい褒めること。褒められて嬉しくない親はいませんし、「こんな些細なこともよく見ていてくれる」と保護者の信頼感も増します。

<ポイント4> 活動の箇条書きにならないように

時系列に沿って書く欄があると、事務的に活動内容を記入するだけですませがちですが、これはNG。また、園での様子を書く白紙の欄にも、ただ活動を箇条書きにするのは禁物です。
活動には、それぞれ狙いがあります。それに対し、子どもがどのくらい頑張れたか、何を達成できたか、一言添えてあげたいところ。保護者の、保育内容への理解にもつながります。

<ポイント5> 保護者の不安をあおるような書き方は避けて

「ちょっと乱暴なところが心配です」「お友だちと遊ぶのが嫌いなようです」のような、保育者の主観の入ったネガティブな書き方は、保護者を不安にさせるだけ。
「パワーが余っている様子。外遊びで発散させていきます」「お友だちから離れてじっと観察している慎重派の○○くん、無理をせず見守っていきます」といった、子どもの個性を認め、どう保育していくかを伝える書き方を心がけたいものです。

<ポイント6> 保護者のタイプを見極めて書き方を工夫する

お母さんにもいろいろなタイプがあり、年齢もまちまち。相手によって書き方を変えるのは決して悪いことではありません。
たとえば気さくで冗談のわかるお母さんなら連絡帳もくだけた感じで。やや年配で礼儀正しいお母さんならきちんとした言葉遣いで、など、相手が抵抗なく読めるような書き方を工夫しましょう。
保護者のタイプを知るためにも、送迎時のコミュニケーションは大切に。

保護者が知りたいトップ3はこれ!

では次に、保護者が園の様子で一番知りたい情報は何なのか、上位3つをみてみましょう。

1) 何ができるようになったか
2) 誰とよく遊んでいるのか
3) お昼寝は何時から何時までしたのか

保護者にとって、日中の子どもの様子はできるかぎり知りたいもの。とくに、自分が見ていないときにできるようになったことは、嬉しいと同時に、その姿を家庭でも見たいと願うのは当然ですね。
そのためにも、いまできそうでできないことは何なのか、普段の会話で確かめておくといいかもしれません。
また、園でよく遊ぶお友だちがわかると、そのお友だちの保護者と話をするきっかけになり、お休みの日にも一緒に遊んだりすることが可能に。ママ友だちもできていいことがいっぱいですね。
そしてお昼寝の時間。これは、夜のご機嫌や寝る時間にもろに響いてきます。
「今日は2時間寝て3時に起きた」のような情報があれば、「じゃあ8時ごろまではご機嫌がもちそう、でも9時には寝かせなきゃ」と、だいたいの目安が立てられます。
「お昼寝情報」は、帰宅後の忙しいママには欠かせない貴重な情報なのです。

いかがでしたでしょうか。
連絡帳は保護者と保育士の間の大切なコミュニケーションアイテム。これがスムーズにやりとりできていれば、子どものより良い保育へと繋がります。
日々の可愛らしい一言や微笑ましい仕草、がんばったことやできるようになったことなど、子どものリアルな日常が満載の連絡帳は、成長したあとも大切な思い出の一冊になるはず。
ぜひ今回のポイントを参考にして、愛情をこめた素敵な連絡帳にしてあげてくださいね。


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