派遣で保育士をするメリットとデメリット


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ここ十数年の少子化の波にもかかわらず、保育士のニーズは増え続けています。
その求人を見てみると、正社員から契約社員、時短勤務のパート、未経験可のアルバイトまで、勤務形態はさまざま。とくに早朝や夜間など、イレギュラーな勤務が多く、正社員だけで対応しきれない保育の現場では、非正規の保育士を雇っている保育所が8割以上といわれています。

そんな中、今、人気を集めているのが、派遣社員という働き方。

派遣会社は、一度登録すれば求職のサポートから就職後のアフターケアまで、まるごと面倒を見てくれて、働くうえでも他にないいろいろな利点が魅力となっているようです。
正社員でなく、あえて派遣社員を選ぶ人もいるという、その理由はいったい?
そこで今回は、「派遣で保育士」として働くメリット・デメリットを調べてみました。

こんなにある! 保育士が派遣で働くメリット

派遣とは、派遣会社から紹介された職場で働くこと。
ですが、通常のように園と直接契約するのではなく、派遣会社との契約になります。
つまり給料も、園ではなく、派遣会社から支払われることに。
また、派遣には数カ月単位で契約期間があり、その都度更新が必要です。
これだけでも一般的な働き方とはずいぶん違いますが、ではいったい、保育士が派遣で働くことにはどんなメリットがあるのでしょうか。

①高収入が期待できる

派遣社員の時給は1000円~1600円程度と、パート・アルバイトよりも高いことが多く、契約期間中はそれが維持されます。
また、正社員のように時間外や、持ち帰りなどの仕事がないため、ボーナスがないことを考えても、収入面ではほぼ同等である場合も。
仕事内容のわりに収入が低めといわれる保育士ですが、派遣については他業種と同様、高収入が期待できるため、その目的で派遣社員を選ぶ人は多いようです。

②ライフスタイルに合った働き方ができる

派遣会社に登録すると、コンサルタントとの面談があり、そのときにこちらの希望条件を詳しく聞いてくれます。
「早番はOKだが午後は16時にあがりたい」「土日は休みたい」「午後~夜のみの勤務を希望」などシフトについてや、「自宅から30分以内の園」「時給は1200円以上」のような労働条件の希望など、前もって伝えておくと、それに合った職場をピックアップしてくれます。
保育士は妊娠出産・子育てといったハードルや、長期間のブランクを超えて働く人が多い仕事。生活スタイルに合わせて働ける派遣のシステムは、まさにうってつけといえるでしょう。

③残業は基本的になし

保育士の仕事が大変な理由のひとつが、残業の多さ。子ども相手のため、時間がきてもなかなか仕事が切り上げられず、定時きっかりに退社、というのが難しいのです。それでも残業代がつけばよいのですが、支給されないところがほとんど。
しかし派遣社員の場合、契約に沿った仕事をするよう、職場にも通達がされているので、時間がくれば仕事を切り上げる必要があります。
もちろん、残業ありの契約であれば残業は発生しますが、そのぶんの給料はきちんと支給されますから、サービス残業とちがって、前向きな気持ちでこなせるでしょう。

④未経験やブランクを気にしないで働ける

とくに担任などを持ってしまうと、保育士は年度の途中でやめるわけにはいかなくなります。そのため、妊娠出産を希望している場合、育児と両立できるか確実でない場合などは、前もって退職してしまう傾向が。また、子どもが小さいうちは何が起こるかわからないため、なかなか復帰できず、ブランクも長くなりがちです。
こうした場合の復帰第一弾、また未経験の保育士の働き方として、派遣はとてもマッチしているといえます。
派遣会社が園に「この保育士はどのくらいの経験、ブランクがある」と言う点を明示し、園側も納得したうえでの雇用なので安心ですし、「子どもが小さいため残業ができない」などの条件も考慮され、それに合った業務を設定してもらえるのも大きなメリット。
ブランクのある保育士は、まず派遣で復帰をはかることが多いのもうなずけます。

⑤職場のトラブルも派遣会社がフォロー

派遣会社のコンサルタントとよく相談し、納得して就職しても、いざ仕事を始めてから、トラブルに見舞われることが絶対にないとはいえません。
「聞いていた仕事内容と違う」「契約にない残業がある」などの労働条件から「園長のパワハラがひどい」といった人間関係に至るまで、トラブルが発生したらまずは担当コンサルタントに伝えます。
すると、担当が園と直接やりとりをして、問題を解決してくれます。保育士自身が出ていく必要はなく、無用なストレスに悩まされずにすみます。
たとえ解決のめどが立たず退職ということになっても、すぐに次の仕事を紹介してもらえるので、安心して任せられます。

以上、派遣ならではのメリットをあげてきましたが、つぎにデメリットも見ておきましょう。

ほとんどない、派遣のデメリット

じつは派遣保育士ならではのデメリットというものはほとんどありません。
ですが、非正規雇用ということで以下のような不利な点はみられます。

①待遇面でやや劣る

時給は高めの派遣社員ですが、ボーナスは基本的に出ません。また、交通費も出ないことが多く自己負担になります。福利厚生も、園との雇用契約ではないので利用できません。
ただし、派遣会社によっては、交通費を支給したり、福利厚生がありますので、求人数の多さだけでなく、こうした面もよく確認して、しっかりした派遣会社を選びたいものです。

②契約期間がある

派遣契約は、期間が決まっています。3カ月や半年、さらに長期とさまざまですが、そのたびにコンサルタントが双方の意志を確認し、契約を更新するかどうかを決めます。
これは「辞めたいときは気軽に辞められる」というメリットもありますが、「園から契約を切られる」というデメリットが重大です。
もちろん契約解消となれば、またすぐにコンサルタントが次の職場を探してくれますが、「できるだけ長く安定して働きたい」という場合は、長期契約の案件を希望するようにしましょう。

①部外者に見られることがある

正社員と派遣社員を区別して、派遣を部外者扱いする保育士や園もないとはいえません。ただし、派遣スタッフがかなり一般的になってきた現在では、ひと昔ほどの「区別」はみられなくなってきました。
派遣保育士が多く働いている園であれば、こうした問題も少ないので、気になる場合はコンサルタントに確認してみるとよいでしょう。

いかがでしたか。
ブランクや勤務時間、収入面などで、保育士として働くことに不安のあった方も、派遣というシステムを利用すれば、かなりカバーすることができるのではないでしょうか。
保育士専門の派遣会社もどんどん増えています。
ぜひ、自分に合った会社を見つけて、まずは気軽に登録してみることをおすすめします。


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