TVドラマでも話題の「病児保育」ってどんな仕事?

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最近耳にすることが増えてきた「病児保育」。
TVドラマ「37.5℃の涙」のテーマとして描かれ、主人公の桃子が病児保育士としてさまざまな苦難を乗り越えていく姿に共感している方も多いのではないでしょうか。
出産後も仕事を続ける女性が増えてきた今、ますます注目されている病児保育。
いったいどのようなシステムで、どんな人が働いているのか、詳しくご紹介しましょう。

37.5℃の壁

保育園に通う年頃の子どもは、頻繁に熱を出すもの。けれど保育園はあくまで「健康な子ども」を預かる場所であり、発熱していると預かってもらえません。そのボーダーラインは37.5℃。これを超えると、保育中でも職場に連絡がきて、「迎えにきてください」と言われることに。
子どもの熱は大人のように風邪薬を飲んで一日で下がる、というわけにはいかないもの。
数日間は仕事を休み、子どもの面倒を見ることになります。度重なる早退、減っていく有休・・・
働く母親にとって、37.5℃の壁は常に目の前に高々とそびえ立っているのです。

施設型と訪問型

そんなときの救世主となるのが、この病児保育と、病後児保育です。

病気の子ども(一部の感染症を除く)を預かるのが病児保育、回復期にはあるがまだ集団生活は難しい子どもをケアするのが病後児保育。
これらの保育には、「施設型」と「訪問型」の二つのシステムがあります。
施設型とは、病院や保育園内に併設されているもの。医師や看護師が常にそばにいてくれるという安心感があります。
ただし、やはり病児ですから実際に預かれる人数は限られていて、一施設で5名程度のところがほとんど。年々、施設は増え、国からの補助もあって2011年には全国1026か所にできましたが、まだまだ需要を満たしてはいないのが現状です。
訪問型は、看護師や保育士などのスタッフが、家庭を訪問し、一対一で病児をケアします。
急な発熱やお迎え、インフルエンザなどの感染症にも柔軟に対応できるのがメリット。
利用料金が高いのがネックでしたが、最近では助成金を出す自治体も増え、親の負担は半額程度になりました。

ベテランママから幼稚園教諭まで

では、病児保育の現場で働くためには、何が必要なのでしょうか。
じつは病児保育士とは、ドラマの原作漫画で作られた造語。国家資格としての「病児保育士」というものはありません。
医療系の資格も必須ではなく、現在活躍中の病児保育士には、保育士をはじめ、看護師、幼稚園教諭、ベビーシッターなどの福祉系資格を持つ人が多いようです。
さらに、資格はとくにないけれど、育児経験が長く、病児保育の研修や講習を受けたベテランママも活躍しています。

民間の資格を取得してスキルアップも

病児保育士としての専門知識を学んだりスキルアップのために、民間の資格を取得する人もいます。

●「認定病児保育スペシャリスト」

日本病児保育協会が認定する、日本で初めての病児保育の資格。WEB講座と24時間の実習および、1次のオンライン試験と、2次の面接試験を経て認定されます。18歳以上であればだれでも取得できます。

●「病児保育専門士」

全国病児保育協議会の認定による、病児保育施設で2年以上の実務経験のある保育士・看護師を対象にした資格制度。救急実習などの22時間の講義と、小論文、面接があります。

病児保育とは、単に病気の子どもの世話をするだけではありません。
病気にかかり、親とも離れて不安でいっぱいの子どもを、心安らぐ安全な環境で、ひとりひとりの病状や発達に応じたニーズに応じ、心も体も満たしてあげる保育の場です。
「とにかく子どもが好き」「働く親御さんたちの助けになりたい」
そんな強い気持ちがあれば、誰にでもチャレンジできる、いま最も必要とされている職種のひとつといえるでしょう。

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