頼れる保育士のリーダー役、主任保育士のお仕事って?
- 2016-1-5
- 転職マニュアル
保育士資格をとって、初めての保育園での勤務。
最初は元気な子どもたちに圧倒されたり、うまく対応できなくて落ち込んだりするものですよね。
でも誰でもスタートは未経験。そこから経験を積んで、クラス担任、主任保育士とキャリアアップしていく人も多くいます。
「始めたからには主任をめざしたい、でも私にできるかしら・・」
今回は、そんな夢とちょっぴり不安を抱えた保育士さんのために、主任保育士の仕事内容、主任ならではの悩み、そしてどうしたら主任保育士になれるのかをみていきましょう。
現場から管理まで、園全体に関わる仕事
主任保育士とは、会社で言えば管理職にあたるポジション。
子どもたちがより良い保育環境で、生き生きとした時間を過ごすために、現場で動く保育士をとりまとめ、保育活動のリーダー役をつとめる、責任ある立場です。
かつては勤続年数の長いベテラン保育士や副園長が、主任保育士を兼務することも多かったのですが、10年ほど前から国家予算が組まれ、多くの認可保育園が専任の主任保育士をおけるようになりました。
主任保育士の主な仕事内容は次のようなものです。
- ●行事の企画・運営
- ●保育のカリキュラム、指導計画などの作成補助、点検
- ●保育士の勤務シフトの管理
- ●保育士への専門知識や技術の指導
- ●職員からの相談対応
- ●園長のサポート
- ●園児全体と家庭状況の把握
- ●課題のある子どもや家庭への対応
- ●保護者の相談窓口
- ●職場体験や実習生、ボランティアの受け入れ
- ●教材やおもちゃ、絵本などのセレクション
ざっとあげただけでもこれだけの業務があります。実に多岐にわたっているのがわかりますね。それに加え、現場の保育も行うので、大きな責任を伴った、多忙な職務といえます。
現場での主任保育士は、クラスを超えたフリーの担任として、子どもたち全体を見守る立場であることがほとんどです。つねに園全体を把握しながら、新人保育士はもちろん、中堅からベテランの保育士まで、さまざまなアドバイス、指導を行います。
管理職としては、現場の保育士の業務調整や、職員や保護者の相談への対応、保育プラン作成の中心となって園長をサポートするなど、保育園の運営にかかわる重要な役割を担っています。
主任保育士ならではの悩み
今まで子どもたちだけを見て、対応すればよかった保育士が、主任となって仕事面、待遇面で戸惑うことがあるようです。よく耳にするのが次の2つ。
① 同僚や先輩保育士への指導が難しい
とくに年上の保育士に対して指導するのはなかなかやりづらいもの。でも、はっきり言わないでいると、指導ができていないと上司からクレームが。板ばさみですね。
そんなときは、ミスをした「人」ではなく、ミスの「原因」を一緒に考え、改善するようにすれば、先輩に対しても角が立たない指導ができるかもしれません。
② 主任になって忙しくなったのに給料が上がらない!
キャリアアップしたのに給料が上がらないのは、園側に問題があります。特徴として、「すべてを園長が取りしきる小規模経営の園」「若い保育士が多い園」は要注意。
小規模経営の園の中には、近隣の大規模施設に園児をとられ、経営自体がやっとというところも少なくありません。また、若い保育士が多いということは、人件費を抑えている可能性が。いざ主任になってから困惑しないように、待遇などは前もって調べておくといいでしょう。
主任保育士になるためには?
主任保育士になるために、法的な資格が必要だったり、勤続年数が決まっているわけではありません。ただし公立の園では、半数近くが、だいたい25年以上勤務した保育士となっているようです。一方私立では、5年目で主任というケースもあり、園それぞれの状況によってさまざまといえます。
それでは主任保育士を目指すために、何をすればよいのでしょうか。
- ① 希望を上司にはっきり伝える
- ② 必要と思われるスキルを磨く
- ③ 経験を積み、主任保育士募集の求人を狙う
まずは、将来は主任を目指したいという希望を表明しましょう。たとえ今、必要な経験やスキルが不足していても、目標として設定していることを上司に伝えたうえで、②の資格取得や自己啓発に取り組むと、その意欲が伝わります。園によっては、主任になるための研修や試験を実施しているところもあるので積極的に参加していきましょう。
今の園で主任になることが難しそうな場合は、ひとまず慣れ親しんだ職場で経験とスキルを磨き、自信がついたところで主任保育士の求人に応募するという手も有効です。
いかがでしたでしょうか。
責任も重く多忙な主任保育士のお仕事ですが、それだけにやりがいも無限大!
ぜひ皆さんも、夢に見た保育の世界で、「プロ中のプロ」にステップアップしてくださいね。