子どもの声は騒音!? 増えるご近所クレームとその対策

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千葉県市川市の保育園が、近隣住民の反対により開園をとりやめたニュースは、皆さんの記憶にも新しいと思います。
反対する理由は「子どもの声が騒音になる」「道路が狭く、交通事故の危険が大きい」などで、待機児童が全国ワースト9位という市川市では開園を期待されていただけに、保護者や市の関係者の失望も大きいようです。

保育園での子どもの声をめぐるトラブルは、2014年の神戸市で、近隣住民が防音壁の設置や慰謝料100万円を求めて裁判になったり、2015年の目黒区でも、住民の反対運動で開園を延期した保育園があったりと、近年話題になっています。
しかしその一方で、待機児童が増え続け、保育園の新設が強く望まれているという事実もまた、無視することはできません。

そこで今回はこの問題を取り上げ、地域に溶け込み、近隣住民の理解を得るために、保育園側としてできる対策は何があるのかを、考えていきたいと思います。

近隣からのクレームは騒音以外にも

閑静な住宅街に位置する保育園では、どうしても子どもの声をはじめとしたさまざまな影響を周辺に及ぼすことになります。
では一体、近隣の人々は、保育園のどんな点に悩み、改善してほしいと考えているのでしょうか。よくあるクレームをあげてみましょう。

「園庭で遊ぶ子どもの声が騒々しい」
「ピアノの音や歌声が大きい」
「保育士が子どもに指示したり叱ったりする大きな声が気になる」
「窓を開ける季節には、子どもの泣き声がよく聞こえて落ち着かない」
「運動会などの行事前から、当日まで、拡声器の声や音楽が一日中聞こえる」
「お祭りの太鼓の練習がうるさい」
「送迎時の保護者たちの立ち話。早朝から響き渡って目がさめる」
「園の前の道に送迎の車が列をつくり、渋滞する」
「園内では吸えないからと門の外で喫煙する保護者たち」
「家の前に車や自転車を停められる」
「保護者の立ち話の間に、子どもが鉢花を摘んだり車に触ったりする」
「送迎時に、子どもがはしゃいで駐車場や家の敷地内に入ってくる」

こうして見ると、保育中の子どもの声に関するクレームだけでなく、それと同じくらい、送迎時の保護者に関わるクレームがあることがわかりますね。このあたりにも、近隣住民から理解を得られる改善のポイントがありそうです。

トラブルを避けるためにはこんな工夫を

世間で「子どもの声は騒音」との苦情がクローズアップされる一方で、「子どもの声を抑制することは、心身発達の段階にある子どもにとってストレスになる」との意見も根強く、東京都では昨年、これまで子どもの声を「騒音」として規制してきた対象から外すことを決めました。
子どもにとって保育園は、お店や電車内のような「騒いではいけない場所」ではなく、のびのびと活動し、笑って、泣いて、成長する場です。そんな子どもたちの大切な場所を守りつつ、地域に受け入れられていくために、園側ができることは何か、考えてみましょう。

(1)防音壁を作る、窓ガラスを二重にするなど、防音工事をする
大変ではありますが、まずこういった対策をすることで、できる限りのことをしているという園の姿勢が示され、相手側も歩み寄ってくれることが多いようです。

(2)子どもが園庭で遊ぶ時間を決める
各クラス40分ずつ、などと決め、ローテーション式にして、全員が一度に遊んで騒がしくならないように工夫します。一日3時間程度で外遊びが終わるようにすると、近隣への影響はかなり軽減できます。

(3)散歩で公園遊びを
大変ではありますが、まずこういった対策をすることで、できる限りのことをしているという園の姿勢が示され、相手側も歩み寄ってくれることが多いようです。

(4)ピアノや歌の時間には、必ず窓を閉める
防音効果のあるカーテンなどの使用も効果的です

(5)送迎時の保護者の立ち話の禁止ルールを作る
5分ルールを作るなど、送迎は手短に行ってもらうようにします。

(6)園のスタッフが門前に立ってチェック
送迎時には、スタッフが出て、路上に車や自転車を停めていないか、子どもを放っていつまでもお喋りしていないか、門前で喫煙していないかなどをチェックします。

(7)お迎えの時間を分ける
一度に大勢のお迎えが来ると玄関は騒然とします。1グループ~3グループまで時間をずらし、迎えに来てもらえば、混雑することもなくスムーズ。

(8)地域と積極的にかかわりをもつ
地域住民を夏祭りに招待したり、餅つきの場所を提供したりなど、園にどんどん来て親しみを持ってもらいます。「知らない子どもの声は気になるけど、知っている子はまったく気にならない」という住民の声も多く、子どもたちと触れ合ってもらうことで、クレームも減っていくでしょう。

(9)お散歩のときは元気に挨拶を
近隣の方と会うことの多いお散歩では、すれ違ったら挨拶を忘れないようにします。保育士が元気に「こんにちは!」と声をかけ、子どもたちにも挨拶をするように教えましょう。(8)と同様、顔見知りの子どもがいるというだけで、保育園に対して温かい気持ちを持ってもらえるものです。

(10)イベントは前もって知らせておく
運動会やお祭りのシーズンには、前もって練習期間や本番の日時を、近隣に知らせておきましょう。できれば直接訪ねていって、「ご迷惑をおかけします」とお詫びすれば印象が違います。いつまで続くかわかっていれば、先方も我慢のしようがあるというもの。

終わりに

いかがでしたか。
このような問題は、どちらかが一方的に責めたり我慢するのではなく、お互いの立場を尊重しながら根気よく話し合いを続け、着地点を探っていくことが必要になります。
子どもたちを保育時間中にずっと静かでいさせることも、近隣住民が引っ越すことも現実的ではない以上、解決のために一番必要なのは、双方の歩み寄りでないでしょうか。
子どもは未来を担う宝。その大切な子どもたちを、地域の人々みんなで協力しあいながら温かい目で見守り、育てていきたいものです。

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